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元 株式会社ストルアス/管理部 部長(コンロトーラー) 安田 健子 氏

ファイナンスや英語の知見を活かし、日系企業から外資系コントローラーになるまでの道のり

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※インタビュアー/バリューアップパートナー株式会社 代表取締役 大塚 寿昭
INDEX

    どんな業界でも活躍できるコントローラーを目指して

    「11年間活躍したカーギルジャパンを卒業して、なぜ現職に転職したのでしょうか。」

    マレーシアから帰任する頃から、日本の穀物油脂本部でコントローラーを担った後に何をするかを考え始めました。ぼんやりと、今後のキャリアはカーギルではないだろうと思っていたので、改めて何がしたいのかを立ち止まって考えて、「プロフェショナルなコントローラーとして、どんな業界でも活躍できる人材になりたい」と思い至りました。

    私が尊敬するCFOの方々は、どの会社でもどの業種でも結果を出すプロです。その姿を見て、私もどこででも結果が出せるコントローラーになりたいと思いました。
    せっかく日本のような工業大国にいるのだから、今まで経験したことのない日本の「ものづくり」に近い業界で仕事がしたいと思い、ストルアスへの転職を決意しました。

    「株式会社ストルアスはどんな事業をしている会社ですか。」

    デンマークが本社のストルアスは、1875年に設立した微細構造検査を支える機器・消耗品の販売や技術提供を行っている会社です。ニッチな業界ではありますが、世界シェア30%、日本シェア40%の会社です。微細構造検査とは、金属製品や他の素材の組成を顕微鏡で検査することにより、思った通りの質(硬度・柔軟性・伸縮性等々)ができているかを見極める検査のこと。顕微鏡でしっかりと組成を見るためには、適切な切断・研磨・琢磨・埋め込みの技術が必要です。自動車、鉄鋼、航空宇宙、電子部品等のお客様に安全で信頼性の高い効率的なソリューションを提供しています。素材の質を確実にする(Ensuring Certainty)により、お客様が自信を持って世の中に製品を提供できるよう支援することで、私たちの生活における安全性・利便性が担保されます。日本のものづくりに貢献できる会社で仕事をしていることを誇りに思っています。

    集大成としてストルアス社の意思決定に寄与

    「株式会社ストルアスではどんなポジションでどんな役割を担っていますか。」

    日本のストルアスは、50人ほどの規模の会社です。コントローラーとして、ファイナンスのみならずHR、サプライチェーン、カスタマーサービス、総務を統括しています。レポートラインはGMで、ドットラインがデンマークのCFOです。
    CFOとして、財務会計、情報分析面からのビジネスパートナーを担っています。また、CHOとしては、採用、戦略実行のための能力開発、組織変更、チェンジマネジメント、LEAN(改善マインド)の浸透などを行なっています。そして、COOとしては、サプライチェーンプロセスの管理、改善を担います。このように会社の運営に幅広く携わると同時に、将来の方向性や意思決定に深く携わっています。

    「CEOのビジネスパートナーとして活躍していますね。カーギルジャパンとは一味違う面白みや充実感がありますか。」

    カーギルジャパンの時よりも、より広く深くビジネスに関わっています。あらゆる課題を見つけ出し、意思決定のほとんど全てにシニアマネジメントとして携わっています。
    特にコントローラーは、CEOのビジネスパートナーとして、ビジネス全体を俯瞰して方向性を協議していく重要な役割です。ストルアスのような規模の会社では、必要に応じて、ハンズオンで多岐の領域に踏み込みつつ、高い経営視点を持って舵取りをすることも求められるポジションです。また、戦略実行のための組織や人材開発・報酬制度との連動等、人的資源のマネージにも深く踏み込みます。

    マネジメントの影響力が大きく、マネジメントが良ければ会社が良い方向に進むということを実感しています。だからこそ、きちんとした判断をしていかなければいけないという思いで過ごしています。
    本社のデンマークも各国の意見に耳を傾けて、必要な支援を提供する体制が整っています。
    デンマーク人の合理的な仕事の仕方に学ぶことも多々あり、ワークライフバランスも充実した非常に良い環境で仕事に取り組むことが出来ています。
    リクルート、カーギルで学んだことを100%活用し、ストルアスで新しいことを学び、仲間とオープンにディスカッションしながら、ビジネスの方向性を決めて実行していく。大変ではありますが、面白く、やり甲斐のある仕事です。

    「安田様が3社にわたって活躍することができた要因は何でしょうか。」

    1つ目は、リクルートで優秀な方々と仕事をするなかで、新しいことに果敢にチャレンジするマインドを醸成することができたことです。周囲から学び、チームで仕事をすることの面白さを理解することができました。
    2つ目は、カーギルで良い上司・メンターに出会い、ビジネス・コントローラーについて、広く学ぶ機会に恵まれたことです。
    3つ目は、自分のキャリアを自分で選択する勇気を持てたことです。特に、カーギルジャパンに転職するときは、未経験の外資系企業への転職でした。自分の背中を押したのは、「自分の人生なのだからやりたいことをできる限りやってみよう」という心構えでした。
    そして、4つ目は、どの職場においても仲間を尊敬し、学び、刺激し、協力し合う関係性を築けたことだと思います。

    コントローラーに必要なハードスキル

    「コントローラーとして役割を全うするために必要なハードスキルを教えてください。」

    数字やファイナンスのスキルは必要ですし、それがビジネスとどう結びついているか、「こういう状況だから、数字的な結果はこうなる」ということを理解していることが大切です。他にも、ビジネスパートナーとして、

    • ビジネスの重要な要素を理解する力
    • それらを可視化する力
    • 時には、人が言われたくないようなこともきちんと伝える力
    • 法令遵守
    • リスクマネジメント
    • 経営判断支援
    • ビジネスの成長支援
    • それらを支える組織・人材の育成

    といった資質は必要だと思います。

    「コントローラーとCFOとの関係性はどうあるべきだと思いますか。」

    私たちは、同じ方向に向かって、目標を実現するために、オープンに意見交換できる関係性です。私の場合は、デンマークのCFOから会社全体の方向性を共有してもらい、それを受けてどう動いていくか、どう現場に浸透させていくかについて、オープンなディスカッションをしています。そういったフラットな関係性が重要だと思います。

    「CFOとCEOとの関係性はどうあるべきだと考えていますか。」

    CFOとCEOは、一番のビジネスパートナーではないでしょうか。数字・オペレーション・組織・プロセス・人材・資産を踏まえて戦略実現に向けて共に実行すべきことを行なっていく存在だと思います。

    現場やビジネスを学びながら成長できるコントローラーの魅力

    「コントローラーやCFOを目指す方へのメッセージをお願いします。」

    自分でどのようなコントローラーやCFOを目指したいのかを考えて、もしギャップがあるのであれば、埋めるように日々努力をしていく。そうすれば、きっと何かしらの結果につながると思います。応援しています。

    「コントローラーやCFOの魅力はどんなことだと思いますか。」

    現場やビジネス、社外から多くのことを学び、自分自身も一緒に成長できることです。コントローラーだからこそ、いろいろなところに疑問を持って、質問を投げかけることができます。そして、そこから大きな学びがある。すごく魅力的な仕事だと思います。

    「最後にこれからどんなことを行なっていきたいですか。」

    まずは、今のポジションを私のキャリアの集大成として全うすることです。その後は、経験を活かして、引き続き社会に貢献していきたいと思っています。

    元 株式会社ストルアス
    管理部 部長(コンロトーラー) 安田 健子 氏
    1985年4月 株式会社リクルート入社 AR Supervisor 1994年4月 同社 FP&A Financial Analyst 2000年9月 同社 営業経理リード 2004年9月 同社 FP&A Financial Analyst 2006年2月 株式会社カーギルジャパン 穀物油脂本部 シニアアカウンタント 2009年1月 同社 穀物油脂本部 ファイナンスマネージャー 2011年7月 カーギルマレーシア 穀物油脂本部 コントローラー 2014年7月 株式会社カーギルジャパン 穀物油脂本部 コントローラー 2017年5月 株式会社ストルアス コントローラー