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株式会社東京通信グループ/取締役執行役員CFO 赤堀 政彦 氏

27歳でCFOにチャレンジ!関わる企業とともに成長し、挑戦を続けた先に見えた経営の醍醐味とは

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※インタビュアー/バリューアップパートナー株式会社 代表取締役 大塚寿昭
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    赤字企業でさらなる自身の成長を目指す

    「その後、マザーズ上場企業のグローバルウェイに取締役CFOとして転職します。あえて赤字が続いていた会社を選択した理由を教えてください。」

    理由の1つは、上場企業の取締役になれるチャンスだったからです。2つ目は、初めて働く人ばかりの環境で、会社を再生できたら、自分自身にもう少し自信が持てるのではないかと思ったことです。コーポレート責任者として、自分で責任を取ってでも結果を得たい。大変な環境に再度身を置くことで成長したいと考えました。

    「常に自分を客観視して冷静に評価しているのですね。」

    若くて使い勝手がいいから使われているだけで、5年先や10年先は使ってもらえないのではないか、自分の評価や報酬を上げるためには結果を出さないといけないと考えていました。先のことを考えて不安な気持ちがありました。

    「ご自身の中で、こうしたら黒字になるという構想を持たれていたのですね。」

    そのイメージは持って仕事に取り組みました。ちょうどグローバルウェイは、第2創業期に入るタイミングで、代表を変更することを決められた頃でした。転職にあたっては、新しい代表の方や一緒に働く従業員にも会うことができて、新しい代表の方は人間として尊敬でき、学べることも多く、一緒に働きたいと思いました。その後黒字化して、株価が一番低かった時は時価総額が10億円程でしたが、現在では100億円を超えており、一時期は数百億円台後半にもなっていました。

    「現在も、グローバルウェイには監査等委員で入られていますよね。そして、東京通信グループには取締役として参画している。なぜこういった関係性になったのですか。」

    グローバルウェイでの再生が一旦終わったタイミングで区切りを考えたのですが、ちょうど監査等委員の方が退職されることになったので、その方のポジションで残らせていただきました。社内のことが分かっているので、監査しやすいという背景がありました。また、私の知り合いの方にリファラルでCFOになっていただいていたので、その方とも円滑にコミュニケーションを取りたいという思いもありました。

    会社の成長に合わせて個人も成長する

    「次のキャリアとして、東京通信グループを選んだ理由を教えてください。」

    東京通信グループは、売上は順調に伸びていて、投資と事業を連動させていくことを考えて、レバレッジをかけるために投資や資本業務提携を推進しています。このように前向きに資金を使い続ける会社で働くことは、自分の成長やキャリアにとってプラスになるのではないかと思いました。また、東京通信グループのマネジメントは新卒で入社したシーエー・モバイル出身の方も多く、その縁もあり、声をかけてもらいました。

    「赤堀さんはこれまでのキャリアで常に挑戦を続けてきました。あえて難しい道を選択しているようにも感じますが、それはなぜですか。」

    自分の価値を上げていかないと怖いからです。自分と同じことができる方は大勢いるはずなので、より高いレベルに挑戦していく必要があると考えています。その方が「こうすればよかった」という後悔がなく生きられそうな気がしますね。

    「これまでの赤堀さんのご経験から、挑戦することの大切さと大変さを教えてください。」

    挑戦しないと、成功のチャンスも失敗による成長も得られません。その前提として、挑戦の結果を自分ごととして受け入れる覚悟を持っている必要があります。挑戦しないことは、仕事をしている上で罪だとすら思っています。

    失敗した時は、何が上手くいかなかったか、次はどうすれば上手くいくかを考えます。頭の良い方であれば、経験がなかったとしても予測できるのかもしれませんが、僕はそんなに優秀ではないので、1つずつやってみて、その結果を分析して次に活かすことで、経験の幅を広げていくしかありません。1回1回の機会を無駄にしないことは意識しています。

    CFOの大切なスキル・マインド

    「CFOにとって一番大切なスキルを教えてください。」

    CFOにとって全体感を持つことは大事だと思います。例えば、ファイナンスだけしかわからないということでは、部分的な視点になり、戦略と投下資金の内容が合致していないということが起こりうるかもしれません。そういう意味では全体像を理解した上で仕事ができる、そういうバランス感覚を持っていることが大切だと思います。事業会社のマネジメントは、事業を伸ばしたい方が多いと思うので、CFOにはそこを上手くコントロールする機能が必要です。そういったバランス感覚はすごく大事だと思います。

    「CFOのマインドとしてはどういったものが必要でしょうか。また、挑戦するマインドはCFOには必要でしょうか。」

    挑戦するマインドは、成長したい会社や変わりたい会社には必要だと思いますが、全てのCFOに必須の要件ではないかもしれません。それよりも、諦めずに考えて最後までやり遂げるマインドの方が大切だと思います。CFOの場合、会社が成長する過程で上手くいかないこともあります。上手くいかなかったままで終わりにするのではなく、次はどうするのか、どう変えていくのかを常に考えて実行していく。そういうマインドセットは必要だと思います。

    CFOの魅力

    「これからCFOを目指す人にCFOの魅力を教えてください。」

    CFOには、色々なチャンスがあります。数字から会社をマネジメントできるので、ある意味、会社の舵取りが一番しやすいポジションだと思います。会社の経営戦略と照らし合わせて、自分の意見を具現化して進めていくことができるポジションですし、良い経験を積むことができると思います。こうしたことを実行していくためには、ファイナンスだけでなくて、事業についての理解を深めたり、バランス感覚を養ったりする必要があります。

    「赤堀さんの今後の夢があったら教えてください。」

    夢というほどのものではないのですが、今働いている会社の規模を拡大したり、グローバル化をしたりすることには挑戦はしていきたいです。それが自分自身の成長につながりますし、会社の成長にもつながれば嬉しいですね。

    「ずっと挑戦し続けてきたから、これからも挑戦をしていくのでしょうね。」

    ビジネス人生で体力的にも集中して働けるのは55歳ぐらいまでとしたら、30代後半なのであと15年ちょっとしかないですよね。よく言えば15年もチャンスがありますが、悪く言うと15年しかチャンスがない。その15年程度で自身が最大限に貢献できて自分も楽しく過ごせるように、挑戦し続けていきたいですね。

    株式会社東京通信グループ
    取締役執行役員CFO 赤堀 政彦 氏
    2009年4月 株式会社シーエー・モバイル(現株式会社CAM)入社 2010年9月 セレンディップ・コンサルティング株式会社(現セレンディップ・ホールディングス株式会社)入社 2016年3月 同社取締役就任 2018年6月 株式会社MIEコーポレーション社外取締役就任 2019年5月 株式会社マネジメントソリューションズ入社 2020年2月 元嵩管理顧問股分有限公司監察人就任 2020年6月 株式会社グローバルウェイ取締役就任 2022年3月 株式会社東京通信グループ取締役就任 2022年6月 株式会社グローバルウェイ取締役(監査等委員)就任(現任) 2022年7月 株式会社東京通信取締役CFO就任 2023年3月 株式会社東京通信グループ取締役執行役員CFO就任(現任)