CFO、管理本部長、経理、財務、経営企画の管理職、担当者の方々に必要な知識として、ファイナンスに焦点を当て、お役に立てる情報を記載してみました。
今回から暫くは、ファイナンスに必要な知識として、企業価値と株式価値を算出し、各々について考えてみましょう。
主な算定方法として、将来のキャッシュフローから求めるDiscounted Cash Flow (DCF)法、同業他社をベンチマークして求める類似企業比較法、取引価格を参考にする類似取引法などがあります。
今回は、企業価値と株主価値をDCF法を使った簡易的な方法と類似企業比較法の例を実際に計算しながらご紹介します。
DCF法についてのメリット・デメリットは以下のとおりです。
DCF法のメリット
- 将来のキャッシュフローから企業価値、株式価値を求めるので、シナジーを含む事業計画を反映できます。
- 事業が継続して存続する場合、つまりゴーイングコンサーン(going concern)の場合、有効な方法です。
DCF法のデメリット
- 事業計画の売上高、経費等の数値次第で、企業価値、株式価値が大きく変動します。
- 事業が継続することが前提なので、事業を清算する場合には適用できません。
企業価値は、将来のフリーキャッシュフローFCFの現在価値であり、株式価値(時価総額等の株主に関わる価値)と負債価値(借入金等の負債に関わる価値)の和となります。ここで、FCFは、以下のとおりと表せます。
FCF=経常利益+支払利息-受取利息+減価償却費-税金-運転資本増加額-設備投資額と表せるので、企業が株主や債権者に自由に分配できるキャッシュであることがわかります。
将来のFCFの算出については、事業戦略に基づき、事業計画を算定することが必要ですが、事業に関係しない投融資からのリターンは含めないことに注意が必要です。FCFの算定についてはここでは割愛し、将来のFCFから企業価値と株式価値を求めます。
それでは、事業計画の算定期間を5年と設定し、あなたの会社の5年間分のFCFを以下の空欄に入力して下さい。また、円の単位は、自由に設定して下さい。